東京電力福島第一原発の処理水を巡る問題で、政府はこの処理水を今年の春から夏にかけて海へ放出することを決めました。福島第一原発に近い宮城県亘理町の漁師は、迫る海洋放出に危機感を抱いています。

12年かけてもとの品質のノリに

県南部、亘理町の沖合は、ノリの収穫作業が最盛期を迎えています。港に船が漁を終え戻ってきました。採れたばかりのノリを早速ポンプで吸い上げます。

ノリ

「収穫量は上がっている。忙しいピークだわね」と話すのは、ノリ漁師の菊地幹彦さん。震災後に仲間たちと合同会社を立ち上げ、ノリの生産、加工を行なっています。

亘理町の漁港は震災で壊滅的な被害を受けましたが、12年をかけてノリの生産量や品質を震災前の水準まで戻しました。

しかし、そのような状況に水を差しかねない事態が迫っています。