買った大学生の家で『海産物が届く瞬間』に立ち会い

 取材を進めると去年12月、なんと海産物がこれから届く、という大学生に辿り着いた。

 (山岡純太さん(仮名))
 「過去に取引があった方にお電話を差し上げています、というふうに。(電話口では)名前が僕の父親の名前で、僕の携帯番号は父親から引き継いだので、父親と取り引きがあったのかなと考えた。コロナで僕も大変な思いをしたので、できる範囲で助けられるのであればお助けしましょうか、と」
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 コロナ禍での経営難を訴えられ、約2万円の商品を購入したという。しかし注文後にネットで調べると電話をかけてきた『A商店』は悪徳業者だとわかった。キャンセルしようと電話をかけたがつながらなかった。

 そして取材中、ついにA商店の商品が届いた。中身を確認すると入っていたのはカニ・エビ・紅鮭など7品。一見豪華にも見えるが、後日、鮮魚店に確認してもらうと、真空パックに空気が入り海産物の鮮度が落ちていることが判明。実際の値段は支払った2万円の半額ほどだという。
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 さらに後日、A商店から再び山岡さんのもとに電話がかかってきた。その際の音声が残っている。

 【電話の録音記録】
 (A商店を名乗る男性)「前回助けていただいてこういう形で本当に申し訳なかったんですけど。北海道の高級食材や名物を詰められるだけ詰めて、(A商店の)社長もぴったり1万円で最後だし頑張っていいよって言ってくれたので。うるさい男との最後のお付き合いだと思って、これだけなんとか最後に頑張らせてください。最後買って良かったなって絶対に言わせるので。信じてやってください、お父さんお願いします」
 (山岡さん)「お…お父さん?僕お父さんじゃ…」
 (A商店を名乗る男性)「これだけ最後になんとか恩返しさせてください!お願いします!」