穏やかな春の陽気となった28日、鳥取県米子市内の私立高校では、一足早く卒業式が行われました。高校生活すべてがコロナ禍だった今年の卒業生。3年間を振り返り、心に去来するものとは…

米子北斗高校で行われた卒業式には、今年度の卒業生36人が出席しました。

この学校ではコロナ対策を継続し、来賓や在校生は出席しませんでしたが、保護者と教職員が温かく卒業生を送り出しました。

式では、校長先生から卒業生ひとりひとりに卒業証書が手渡されました。入退場や卒業証書授与の際は、マスク着用が個人の判断に委ねられたことから、マスクを外している生徒の姿も見られました。

一方で、国歌や校歌は歌わず、去年おととしと同様、音源を流す形となりました。

卒業生代表の岩田彩杏さんは答辞で、それでも得たものは多い高校生活だったと振り返りました。


卒業生代表 岩田彩杏さん

「しかし、その中で私たちは、常識を今一度考えなおす機会を得ました。その結果、校則の見直しや、文化祭の復活などに向けて主体的に挑戦することができました。失ったものも多い分、代わりに得たものも多くあったのです」

相次ぐ休校に、部活動の停止。学祭や修学旅行の延期など、当たり前が当たり前でなくなる中でしたが、生徒たちは精一杯、青春を謳歌しました。

卒業生

「制限された中でも、自分たちで考えて色んなことをやってみたので、その分3年間が濃かったと思います」

「嬉しすぎて叫びたい気分です。叫んでいいですか? ウォーーー!」

山陰両県のほとんどの県立高校では、3月1日に卒業式を行います。