中国が停戦を呼びかけ これを機に「米中関係改善」の思惑も?

―――そしてもう1つ気になるのが、停戦を呼びかけた中国の動きです。中国政府は、ウクライナ問題の政治的解決に関する中国の立場を発表。内容としては▼核兵器の使用や核による威嚇をしてはならない▼冷戦的な考え方を捨てる▼安保理で承認されていないいかなる一方的な制裁にも反対…などです。先生は中国の立場というのをどう見ていますか?
 「非常に微妙なところなんですね。なぜかといいますと、中国っていうのは気球問題があって、米中対立っていうのが非常に厳しい状況。そしてウクライナもプーチン大統領が核を使うんじゃないかと。そこで、習近平国家主席は自分の出番だと思っているんですね。それはロシアを止めるだけではなくて、これを機会に米中の関係も改善したいと。そのために、プーチンの緊張を高めているところで自分の出番だと。じゃあ一体何ができるかということです。経済制裁を欧米がロシアに科していますけども、それを緩和する方向で自分が欧米との間に入ってやろうかと。そして先ほど入ってきたニュースですが、ゼレンスキー大統領も習近平国家主席と直接会って話をしたいという話も出てきたんですね。ここで何か習近平国家主席の動きが出てきて、もちろんどれだけできるかわかりませんけれども、何か動き出してきたなということです」

 (MBS 三澤肇解説委員)
 「冷戦的な考え方を捨てなさいという部分なんですが、年次教書でプーチンさんが言ったのは、『西側』『西側』って連発したんですよね、今回。『ネオナチ』という言葉より『西側』という言葉を使っていた。冷戦的な考え方を使っているのはプーチンさんじゃないですか。そこに対するメッセージもあったのかなというところはすごく思いましたね」

 (筑波大学 中村逸郎名誉教授)
 「冷戦で負けたのがソ連なんですよ。今回、この軍事侵攻について『勝てる』とは言えなかったんですね、冷戦で負けているから」

 (MBS 三澤肇解説委員)
 「あと安保理ですね。安保理のことを言っていましたが、安保理で拒否権を行使しているのはロシアと中国ですからね、そこもどうなんだというところは正直思いますね」