広島サミット前に習近平国家主席が「国際的な存在感を見せつけてやろうと」
―――そして習近平国家主席が4月か5月初旬にロシアを訪れる可能性をアメリカのメディアが報じました。中村先生によりますと、次のターニングポイントになるのではないかというのが、5月9日の戦勝記念日(ソ連がナチスドイツに勝利した日)ということですね?
「そうですね。4月下旬から5月の頭あたりに、習近平国家主席がモスクワに行ってプーチン大統領と会う可能性がある。なぜかというと、1年前に戦争が始まって、プーチン大統領にとって頼りになるのは習近平さんしかいないということで、ぜひモスクワに来てくださいっていうことを1年間ずっと要請してきたんですね」
―――5月19~21日に開催されるのが広島サミット。これより前に“手柄”がほしい中国が停戦に向けて動くのではと。こういったところも1つタイミングになっているのではないかと?
「そこが実は非常に大きいと思うんです。広島のこのG7の会議というのは、まさにこのウクライナ問題が中心テーマなんですね。バイデン大統領も含めて、ウクライナ戦争に仲介してうまく止めることができない、フランスのマクロン大統領もうまくいかなかった。そこで広島サミットの前に自分がプーチンさんまたはゼレンスキーさんと会って話をつけて、自分の国際的な存在感を見せつけてやろうということなんですね」
―――クリミア半島の併合の翌年である2015年の戦勝記念日には、習近平国家主席も参加していたという実績があるわけですね?
「プーチン大統領が頼っているのは、最後、習近平さんに仲介役を頼むしかないということです」