6人が死亡した、新潟県村上市にある三幸製菓荒川工場の火災。三幸製菓は29日、火災後初めて遺族を集めた合同説明会を開きました。

出席者からは記者会見での謝罪を求める声や、説明が「遅すぎる」といった怒りの声が上がりました。
火災からおよそ2か月半。三幸製菓荒川工場で行われた説明会には、火災で亡くなった2人の遺族10人が参加したということです。出席者によりますと説明会には佐藤元保 代表取締役CEOらが出席し、これまでの経緯や再発防止策を説明しました。
会社は、これまで遺族に対し個別に謝罪や説明を行ってきましたが、遺族側からの要望で初めてこのような場が設けられたということです。

2月に荒川工場で起きた火災では、アルバイト清掃員の女性4人と男性社員2人が死亡しました。
三幸製菓は火災原因は不明としながらも、老朽化した電気配線からの発火や、調味料として使っているサラダ油やせんべいくずからの発火など、あらゆる原因を洗い出したと述べたということです。

そして、改善に向けた取り組みを紹介し、5月中旬以降、順次生産を再開すると説明しました。
【遺族】「じゃあ、みんな答えを出して、あぶり出しているから、じゃあ再開できますと。でも遺族は誰も『いいですよ』と言っていない。順番が間違っている。何回も言っているけど、順番が違うんじゃないの」
三幸製菓は、生産再開を4月21日にホームページで発表していて、不信感をあらわにする遺族もいます。
【遺族】「(工場の操業を)やめたからには、遺族に『こうなったんで始めても大丈夫でしょうかね』というのがあってから(発表を)出してほしかった」
火災後、三幸製菓は一部の従業員を避難訓練に参加させていなかったことを明らかにし、また、死亡した従業員4人には、労働条件を記した書面を交付していなかったことも分かっています。

遺族は、会社に対し繰り返し求めてきた記者会見の開催を今回も改めて求めましたが、三幸製菓側は「検討する」と、これまで通りの回答を繰り返したということです。
【遺族】「やってもらわないと。謝ってもらったところからスタート。3か月たっているけど、まだスタート地点にいない」
BSN新潟放送が加盟する司法記者クラブも三幸製菓に対し記者会見の開催を要望していますが、三幸製菓は応じていません。