イランでは2022年9月、女性が着用を義務づけられている“ヒジャブ”と呼ばれるスカーフをめぐって22歳の女性が拘束され死亡しました。女性の死をきっかけに反政府デモが激化しました。自由を訴える女性の思いを取材しました。

若者に価値観の変化 “ヒジャブ”を外す女性たち「自由に服装を選ぶのは当たり前」

2月11日、中東・イランで行われた記念式典。44年前のこの日、イスラム原理主義勢力が政権を奪取しイランで革命が起きた。

須賀川拓記者
「イランの革命記念日のパレードが行われていた大通りです。女性はみんな黒い布を全身にまとっています」

革命によってイランは西洋的な価値観を排除し厳格なイスラムの規範を復活させた。そのため女性は公共の場で髪を隠すことを義務付けられている。忠誠心を示すためか最高指導者ハメネイ師の写真を掲げる女性もいた。

だが今ある変化が起きている。街で目についたのは髪を隠すヒジャブを着用していない若い女性たちだ。

須賀川記者
「ヒジャブを付けていないことに恐怖を感じませんか?」

ヒジャブを着用していない若い女性
「怖くなくなったから付けていません。女性として自由に服装を選ぶのは当たり前です」

ヒジャブを着用している若い女性
「ヒジャブを付けているのは私くらいで、友達は身に着けていません」

イランの若者の間でヒジャブへの価値観が変わり始めている。当局が監視の目を光らせる中、イランの若者に人気だというカフェを取材した。

須賀川記者
「ほとんどの人がヒジャブを被っていませんし、若い世代ばかり。みんなそれぞれ自由に過ごしている。おそらく当局は把握しているけど、許容されているわけなんですよね」