■侍ジャパン宮崎キャンプ4日目 (21日、宮崎)
ダルビッシュ有(36)が実戦形式の練習となるライブBPに登板。村上宗隆(23)、岡本和真(26)、牧秀悟(24)、近藤健介(29)、大城卓三(30)の5選手を相手に23球を投げた。
実戦登板前のブルペンでは捕手の甲斐拓也(30)とコンビを組んでピッチングし、スライダー、カットボール、スラーブ、ツーシームなどを確認。それぞれ大小の変化を付けたり、投げるコースを変えるなどし、さまざまな組み合わせで投げ込んだ。最後は甲斐とサインの出し方、ミットを構える位置なども入念にチェックした。
2011年10月のパ・リーグクライマックスシリーズ以来、4133日ぶりとなる国内での日本の打者との対戦に、球場にダルビッシュが姿を見せると、ファンからは大きな拍手が起こった。
この日最初に打席に立ったのは、史上最年少で三冠王を獲得した村上。1球目は内角低めの小さな変化のスライダーで空振り。4球目のツーシームが外角高めにやや抜けると、村上は逃さず、バックスクリーンへ叩き込んだ。打球を見たダルビッシュからは思わず笑みがこぼれた。
3人目の近藤にはスプリットを試したが、2球とも引っかけてしまいワンバウンドに。最後は村上と同じくツーシームを投げたが、ここも高めに抜け気味となりセンター前ヒット。左打者へのツーシームはまだしっくり来ていない様子だった。
5人との対戦が終わるとダルビッシュがもう一度、村上を指名。吉井理人コーチ(57)も「もう一回」と村上を打席に立たせると2球目、外角低めのスライダーを上手く打たれレフト線へ運ばれた。
村上に打たれた場面を振り返り「いやもう打った瞬間行ったかなってふうに思ったので。でもこんなところで公開処刑されて…悲しいです」と冗談で報道陣の笑いを誘ったダルビッシュ。「ツーシームをインコースから入れようと思ったけど浮き上がってしまった。あの球を簡単に打つなんて。メジャーの打者でも打てないのでそれを1発で打ったので驚いた」。
自ら志願して実現した2度目の対戦でレフト線へのヒットを許した場面には「おかわりしといてしっかり打たれるっていうちょっと恥ずかしい、外からのスライダー、結構簡単に通る(見逃す)ような球なんですけど、それもしっかり待って軽打を逆方向にしてきたので。本人は『スライダーくると思いました』って言ってたんでそういうとこもやっぱ頭もいいなっていうふうに思いました」と侍ジャパンの4番候補を褒めたたえた。
ダルビッシュは打者6人に対し23球、ヒット性の当たりは3本の成績だった。