気球は「19年前から実はあった」

―――情報収集以外の目的や可能性として、攻撃をしてくるという可能性は。

黒井文太郎氏: 攻撃は、アメリカに届くミサイルがなければ昔日本軍が風船爆弾を飛ばしたことはあるんですけれども、やっぱり誘導がほとんど効かないですよね。ですから気球を使うんであれば普通にミサイルを使うだろうなというふうに思います。

ジャーナリスト 立岩陽一郎氏: ランド研究所ってアメリカにありますけども、これアメリカの国防総省と非常に密接な研究です。そこの研究員が言ってたのは、19年前から実はあったんだと。ところが、気球ってね、レーダーに映らないんですよ。だからわからなくて、何だかわからなくて、アメリカは解析度を高めて高めて、やっと把握できるようになった。

 撃墜っていうのはその結果なんです。だからアメリカも何か中国がやってるなって見てるわけですよ。でも把握できないので、撃墜という行為には至らなかった。今回そういうことが能力的にできるようになったっていうことでしょう。

―――気球だから、電波をキャッチするような動きも考えられるんじゃないかということは、黒井さんどうでしょう。

 もちろん衛星でもできて、中国も力入れてるんですけれども、低い方が電波の発信源の位置特定とかそういった精度は高いと思うんですね。ただ先ほど言いましたけれども、ここを狙ったというよりは、ざっくりやったデータ収集用だということだと思います。