マスクの着用について政府は来月から「屋内・屋外問わず個人の判断」にすることを決定しました。ウィズコロナへ社会が進む中、来年春卒業予定の学生たちの就職活動が間近に迫っています。こうした動きが地方の学生の就職活動にはどのような影響があるのか。山形大学のキャリアサポートセンターの松坂暢浩センター長に聞きました。
山形大学の松坂センター長によりますと、学生に企業説明会の開催方法について「対面とオンラインのどちらを希望するか」を聞いたところ、およそ6割がオンラインを希望したということです。ではなぜ、オンラインを希望するのでしょうか。
対面が増えると、経済的負担も増える…
そのひとつが経済的負担です。

コロナ禍の就職活動ではパソコンや通信機器があれば自宅から、気になる企業の話を何社でも聞くことができました。
しかし、対面での説明会となった場合、当然、学生は合同企業説明会の会場や企業社屋に足を運ぶことになります。希望する企業が近場にあればいいのですが、そうとは限りません。
例えば、山形新幹線の東京・山形間の運賃は往復で2万円以上。高速・夜行バスでは1万円程度必要になります。
その交通費が学生の負担となり、開催日が異なれば出席する説明会の回数分必要になってきます。
移動に時間がかかることから、参加することができる企業説明会の数が減ることも考えられ、学生がオンラインを希望する理由になっているということです。
しかし、いわゆるこの「時間と距離」の問題は、コロナ禍前の地方の学生が抱えていたものでした。
今の学生たちは、コロナ禍を生活してきたことで、新たな「対面を避けたい理由」を抱えているといいます。