2040年代に描く月での生活「もっと宇宙を近くしたい」

Qなんのために月に物資を運ぶのですか
「いま、地球ではGPSや気象予報など通信の多くは宇宙から支えられ、今後宇宙のインフラが大きくなれば宇宙での活動が重要になります。
人類が宇宙での活動領域を広げ、月に人間が住むようになった時に、インフラの全てを地球から打ち上げると相当なコストがかかります。いずれその多くは月の資源を使って製造できるような世界になります。宇宙で技術を作っていくためのサイクルをあげていくとなると、我々のような月に小型物資を運ぶ輸送の需要が高まります」
Q袴田さんが描く月の未来とは具体的などんな世界なのでしょうか
「2040年代には約千人が月に住んでいます。重要なのは、住んでいるだけではなくて、働いていて経済を作り始めていることです。地球と月の間で年間1万人ほどの人が往来をしているでしょう。
宇宙が産業として発展していくには、我々のような民間の力が大事で、もっと宇宙を近くにしていきたいという思いがあります。強いサプライチェーンを持つ「製造業」だけでなく、私たち人間の生活を支えるための「医療」ですとか「農業」ですとか様々な分野っていうのはかなり発展しているので、そういった産業をうまく月へ持っていくという事が大事だと思っています」
宇宙産業の開拓を目指し人類の新たな一歩を踏み出した「ispace」。注目される月面着陸は4月末を予定している。インタビューの最後に袴田さんは「我々の挑戦は強い産業を日本にもたらすきっかけになる」と話した。
TBSテレビ社会部 国交省担当 成田広樹