某週刊誌編集部は大忙し

編集部とは言っても、場所はどこかの旅館です。
ここに編集長以下編集部員が泊まり込み、週に1度の〆切をクリアするわけです。

某週刊誌の編集部は旅館の1部屋を借り上げて…

もちろんワープロなどはありません。鉛筆をや万年筆で原稿用紙を1マス1マス埋めつつ、記事をひねっていきます。丸めた原稿用紙が床に散らかる光景なんて、なんだか昭和のマンガそのものですね。

「〆切まであと○時間!」そんな声が聞こえるようです。

泊まり込みですから廊下で寝る人、押入で寝る人、さまざまです。いったいこの人たち、家族はどうしているんでしょう。

雑誌の編集部は今でいう「ブラック職場」そのものかも。

トップを飾る「売れる記事」を売り込む記者は「トップ屋」と呼ばれました。身分は今で言う「フリーランス」。写真とともに面白い記事を編集部に提供します。売れる記事を書けるトップ屋さんは、それこそ週刊誌を渡り歩き、スゴいギャラで記事を書いたそうですよ。
当時活躍した草柳大蔵さんや梶山季之さんなどは「トップ屋出身の作家」として有名です。

みんなが読んでいた時代

50年当時の週刊誌は、やれ紙の無駄遣いだの、面白いばかりで信憑性がないだの、と、批判されたものですが、売れたのは間違いありません。
人々は通勤電車の中や、美容院、家庭で、興味津々それを読んだのです。

今なら「スマホを見る」ところで人々は週刊誌を読んだのです。

今回休刊が決まった『週刊朝日』は、昨年12月の発行部数が7万4000部。
週刊誌市場の縮小と、広告費の減少で、休刊の判断にいたったそうです(朝日新聞出版による)。
各社発行部数を減らす中、週刊誌、ひいては雑誌、さらには活字業界全体の冬の時代は続きます。