桜島の昭和火口でおよそ5年ぶりに噴火が発生しました。
専門家は、「桜島の下にあるマグマだまりが膨張し、一部が昭和火口に向かって漏れ出した」とみています。

気象台によりますと、桜島の昭和火口で8日午前10時52分にごく小規模な噴火が発生し、噴煙が火口から800メートルの高さまで上がりました。
昭和火口では、およそ20分後の11時10分にも再び噴火が発生して噴煙が1000メートルの高さまで上がり、その後も火口から白色の噴煙が上がっているということです。
2018年以降、噴火活動は南岳に移行していた
昭和火口でごく小規模な噴火を含めて噴火が発生したのは、2018年4月3日以来、およそ5年ぶりです。
昭和火口は1939年にできた火口で、2006年6月に58年ぶりに活動を再開し、2011年には昭和火口だけで994回爆発するなど一時、活発化しました。
しかし、2018年4月3日を最後に噴火はなく、噴火活動は南岳山頂火口に移っていました。


桜島では1月から山体の膨張を示すゆるやかな地殻変動が観測されています。
桜島の活動を研究する京都大学の井口正人教授は、昭和火口と南岳山頂火口は同じ場所からマグマが供給されていることから、両方の火口で噴火が続く可能性があるとしています。
(京都大学火山活動研究センター 井口正人教授)
「南岳の下にあるマグマだまりを使い昭和火口も噴いているので、(南岳山頂火口と昭和火口の)どこで噴いてもおかしくない。おおもとのマグマだまりは膨張していて、一部が昭和火口に向かってもれ出した。今回だけで終わることは十分考えられるし、昭和火口と南岳山頂火口が両方噴くことも十分あり得る。しばらく様子を見るしかない。」
■噴火活動は南岳から昭和火口に?気象台は注視
なお、南岳山頂火口ではきのう(7日)午後4時すぎの噴火以来、ごく小規模なものを除いて目立った噴火は発生しておらず、
気象台は、今後、噴火活動が昭和火口に移行していくのか注視していきたいとしています。
桜島は、噴火警戒レベル3の「入山規制」が継続中で、火口から1キロを超えて飛散する大きな噴石と、小規模な火砕流に警戒が必要です。
