長崎市のグループホームで5人が死亡、7人が重軽傷を負った火災から8日で10年となるのを前に、7日、市内の高齢者施設などで消防の立ち入り検査が行われました。



2013年2月8日、長崎市東山手町のグループホーム『ベルハウス東山手』で室内の加湿器から出火し、入居者5人が死亡、7人が重軽傷を負いました。
高齢者などが暮らす施設の“防火対策”の在り方に 大きな波紋が拡がった火災でした。

火災から8日で10年となるのを前に、長崎市消防局は『悲劇を繰り返さないため』7日から市内74全てのグループホームで立ち入り検査を実施。


避難経路の確認や、スプリンクラーや消火器など、消防設備の使い方、通報の手順などを職員とともに改めて確認しました。

7日、検査を受けたグループホームの事務長は「入居者の命を守っていくために日頃から職員としてどのように向き合っていくのか整理して考えておく必要がある」と話していました。

長崎市中央署警防1課 中本 兼広 課長補佐は「グループホームごとに建物の構造や入居者の状態などに特化した訓練を実施することが大事だ」と話しています。

また、消防局では全国的に電気配線から出火する火災が相次いでいることから、家庭でもコンセントの周辺などを点検するよう呼びかけています。
2013年のグループホーム火災きっかけに改正された消防法

10年前の火災を受け、消防法が2015年に改正されました。
改正によって、グループホームなどの施設に対し『面積に関係なくスプリンクラーの設置』が義務付けられました。
長崎市消防局によりますと、現在、長崎市内では 74すべての対象施設でスプリンクラーが設置されているということです。

また、『火災報知器と通報装置を連動させる』ことも義務付けられました。
これにより火災報知器が作動した際、自動的に通報装置が起動し、消防に通報されます。
これらの消防法改正に加え、長崎市では市内のグループホームに対し 『月に1度の消防訓練』を義務付けています。