新しい美術館が来月、広島・大竹市にオープンします。世界初、“動く展示室” もあるユニークな美術館で、7日、内覧会が開かれました。

オープン前の内覧会が開かれたのは、大竹市 晴海にできる「下瀬美術館」です。建築のノーベル賞ともいわれる「プリツカー建築賞」を2014年に受賞した坂茂さんが設計しました。

みやげ店やカフェもある、明るく解放的なエントランスや、全面ガラス張りの渡り廊下は、瀬戸内の自然と現代建築が混ざり合うアート空間に仕上がっています。

館内には、広島市で建築金物を取り扱う丸井産業の 下瀬ゆみ子 代表と家族が半世紀以上かけて集めた日本や西洋の近代美術が展示されるということです。

下瀬美術館 谷藤史彦 副館長
「非常にユニークなアート作品のような建物を作りましたので、その中で美術品を、下瀬コレクションをゆっくり見ていただこうということで、『アートの中でアートを観る』というコンセプトを立てております」

館内の設備にも多くのこだわりがちりばめられています。

貴船桃佳 記者
「水の上に浮かぶ8つの展示室は船のように動かすことができます」

こちらは、世界で初めてだという水の浮力によって船のように浮かぶ展示室です。坂さんが瀬戸内の島々からイメージをふくらませたというカラフルな8つの展示室には、それぞれ作品が収められ、場所を組み替えることができるようになっています。

貴船桃佳 記者
「こちらの鏡の森では、6本の木が鏡に映ることで、森の中にいるような感覚を味わうことができます」

そのほか、屋外には瀬戸内の海と空を一望できるテラスや、フランスの工芸家エミール・ガレの作品にちなんだ季節の草花がそよぐ庭も準備されています。

下瀬美術館 谷藤史彦 副館長
「地元の大竹市民をはじめ、広島県内のみなさん、全国からの観光客のみなさんに幅広く見ていただきたいと思っています」

4月からは10棟の宿泊施設やレストランもオープンする下瀬美術館は、来月1日に開館します。