例えば肺がんの場合、発がん年齢の多くが退職の時期と重なる・・・
似たような例として、能登医師は会社勤めだった男性が、退職後に陥ってしまう状況を説明しました。

能登啓文医師:「肺がんでよくあるのは、60歳ぐらいまで会社に勤めている間は毎年、(がん検診を)受けていて、会社を辞めたら受けない。でも心配になって3年目に行ったら大きいがんができているという例です。リンパ節に転移があるような…。毎年受けていれば、その前の段階でみつかったのに。発がん年齢がちょうどそこなんですよ」
がんの罹患率については、全国では男性が多い順に、前立腺がん、大腸がん、胃がん、肺がん、肝がんと続きます(富山県は胃がんが大腸がんより多い)。女性は乳がん、大腸がん、肺がん、胃がん、子宮がんの順です。
一方、死亡に至る悪性度については、最近変化がみられるといいます。
能登啓文医師:「がんの場合は疾患自体で悪性度が違うんです。だから死亡でいうと、男性はなんといっても肺がんが1位。女性は大腸癌がずっと前から1位なんです。罹患率は高いといえ、乳がんは比較的予後がいいんです。順位で4番目ぐらいになってきて、最近ちょっと増えてきたのは膵がんなんですよ。膵がんは罹患率は低いんですが、かなり死亡率が高く男性は4位、女性は3位になってきています。女性では大腸、肺に次いで多いです。男性では肺、大腸、胃に次ぎます。だから膵臓にも関心を持っていただきたいのが病院の考えです」