世界の状況は… “脱マスク”と“個人判断”の両輪

実際、「日本だけマスクを外していない」のだろうか。
アメリカでは、全ての州でマスクの着用義務が撤廃され、マスクを着用するか「選べる」としている。ただ、感染状況が悪い地域などでは現在もマスクの着用が求められているほか、各人が判断して、交通機関の乗車時のみ着用する人もいるという。

また、欧米で最も厳しいと言われていたドイツも、マスクの着用義務を2月から撤廃することを決めた。
さらに、韓国でも、1月30日から屋内での着用義務を解除する方針がすでに示されている。他方で、医療機関や公共交通機関など、一部施設では引き続き、着用を義務付けるという。

日本で”屋内原則不要”と言えない、その理由は?

このような海外事情の中、日本に目を向けてみると…。
「何をやっても賛否両論。マスクに関しては、正直、専門家の慎重意見がネックだ」
官邸幹部がこのような声を漏らし、頭を悩ませている。

まさに、岸田総理が“屋内マスク原則不要”と示さない理由がここにある。つまり、「専門家の間や世論での慎重論が官邸の想像以上に強かった」のだ。
具体的なマスクの運用について、官邸は、2月にかけて議論を加速し、できるだけ早期に結論を出したい考えだ。