求められる“総理の言葉” 官邸幹部も「しっかり説明した方が良い」

結局のところ、マスクを着用するか否かは、他の感染症などと同様、個人が判断する形になる方針だ。しかし、マスクを外せることを歓迎する声がある一方で、着用を各個人の判断に委ねることで、不安の声も大きいのが実際のところだ。

街で話を聞くと…

「どちらかはっきり示してほしい」
「日本人の特性として周りに合わせてしまうから…様子を見ながらだと思う」
「結局、マスクを持ち歩き、状況や場所に応じて、しばらく使い分けることになってくる」

という声もあがっている。

教育現場、朝の満員電車など公共交通機関、飲食店、商業施設、観光地、病院、スーパーマーケットなど。マスクの着用を求められている今、国が具体的なルールを示さなければ、トラブルも多発しかねない。
岸田総理は27日、「着用が効果的な場面を周知する方向で検討を進める」と述べた。

こういった時こそ、政府がリーダーシップを発揮し、この3年間で蓄積したマスクの効果やデータを示すことで、個人個人が判断できる材料になるのではないだろうか。

総理側近に話を聞くと、笑みを浮かべながら、このように語った。
「総理は本当にいろいろ考えている。ただ、もう少ししっかり自身の言葉で説明をした方が良いよね。政権の命運は、やっぱり“実生活”に直結する政策にかかっているから」

分類を5類に引き下げたからとはいえ、新型コロナの感染拡大に“特効薬”ができたわけではない。高齢化が進む日本において、対策を緩めないことは重要だ。

ノーマスクの“ムード”を待つことなく、総理が“具体的な言葉”で展望を示すことが求められている。マスク対応で今後の舵取りを間違えれば、命取りになりかねない。

TBSテレビ 報道局政治部 官邸サブキャップ
中村由希