
お客さんに「学生1食無料券」を一枚1,000円で買ってもらい、メッセージを書いて壁に貼り付ける。学生たちは、好きな券を1枚とって、カレーを食べることができる―というシステムです。これを始めると、常連客から瞬く間にSNSで広まり、約2年で900枚以上が集まりました。

「学生に還元したいという舞さんの気持ちに惹かれて購入しました」と支援した大人たち。カレーを食べた学生からは「金銭的に苦しい状況だったので本当にありがたい」「学生無料券を寄付するような大人になりたい」そんな声が後を絶たちません。

「学生にとって外食は安いものじゃない。子どもは喜ぶし、大人は(子どもの)姿を見て頑張ろうと思うし、すごくいい循環が生まれる」(舞さん)
気づけば、「うたげ」は、一緒に「うたげ」を作っていく仲間が集う場所になっていました。
「もっと表現できることがある」次のステップへ
そんな目指していた光景を前に、舞さんは大きな決断をします。
「ここで表現できることはできたし、もっと自分には表現したいこと、表現できることがある」
わずか10席の場所でこのまま続けるよりも、もっと大きな場所で、もっとたくさんの人が集まることができるような場所を作りたい。舞さんは2022年11月末、一旦、店を閉めることを決意しました。

「わたしはね、何か判断をするときに『なんのために生きてるんだ?何をするために今ここにいるんだ?』ということ考える。そうすると、『幸せになるためだよな』『好きなことをして生きていくためだよな』ってなる。自分の人生を歩めるのは自分しかいないから」
自分らしく、仲間とともに幸せな空間を築いた舞さん。
彼女は、これからも「うたげ」を作り続けます。