毎日一ページずつめくる日めくりカレンダーです。毎日違うイラストやコメントがかかれていて、ちなみにきょう1月27日はロウバイの花です。このイラストは全て霧島市のものが題材になっています。
このカレンダーを作った霧島市の女性を取材しました。

『4月4日:今年こそ見に行っど〜!御衣黄桜。溝辺の上床公園にあるよ』
『6月26日:霧島茶にはウーロン茶もあるよ。飲んでスッキリ、週明けキバれよ〜』

霧島の四季や食の魅力。オススメのスポットなど。ゆるくてかわいいイラストと鹿児島弁で描いた日めくりカレンダー「きりしま日めくり」です。自宅などで使う人たちのほかお土産としても人気で、年間300冊以上を売り上げます。

(清水美希さん)「地域にこんな良いところがあるんだって、皆さんに再発見してもらえたら」

日めくりカレンダーの生みの親、霧島市のグラフィックデザイナー清水美希さん(40)です。東京で仕事をしていましたが、6年半前、子育てをきっかけに地元霧島にUターン。以来、霧島の特産品を中心に数々のパッケージデザインを手掛けてきました。

(清水美希さん)「パッケージ(の仕事)をしていて、地域でたくさん頑張っている人がいるんだと思って。自分も地域になにか出来ることはないかなと思って、カレンダーで地域のことにしようと思った」

霧島の魅力を伝え、地域を盛り上げたいとの思いで考えたのが日めくりカレンダーです。清水さんのイラストとコメントで、霧島の話題を楽しく伝えます。
今年で4冊目。これまでに描いたイラストはおよそ1500枚にのぼります。

地域の人たちとの日々のコミュニケーションからイラストのアイデアをもらうことも多いといいます。

12月23日『しょがっびんた(年末に髪を整えること)』
「年配の方とお茶飲みしていて、『しょがっびんたにせんと』という話をしていて、何それ?と思って。そういった会話を拾うようにする」

5月8日『ラミーカミキリ』
「ラミーカミキリというのに出会って。カミキリムシがタキシードを着ているような模様だと写真を見せてくた人がいて、かわいい虫だったので入れた」

日めくりカレンダー作りを通して、清水さん自身もふるさと霧島の魅力を再発見したといいます。

(清水美希さん)「小さい頃は(霧島に)何の興味もなかった。田の神さぁなんていたんだ、みたいな。ずっと過ごしていたら気づかないことを再発見させてくれるアイテムになっている」

さらに今年のカレンダーからは、地域の人や子どもたちにもイラストを描いてもらったページもあります。清水さんの長女・仁子さんも田の神さぁのイラストを描きました。

(長女・仁子さん)「これ、仁子(私)が描いた。ちょっと下手。楽しかった」

(清水美希さん)「大人になったときに、日めくりでこういうのあったと覚えてくれていたらいいのかなと。興味を持つきっかけになれば」


霧島市にあるジェラートのお店です。季節の果物や地元のお茶などを使った商品が人気です。このお店では「きりしま日めくり」を毎年、飾っています。

(客・霧島出身)
「これ(さつま汁)とか。おばあちゃんが作ってくれていたので懐かしい気持ちになる」
「知らないし、初めて聞く。食べてみたい」

(ジェラテリアクオーレ 山内仁美マネージャー)「ここに書いてあるのはどこですか、と聞かれることが増えて、カレンダーをきっかけにお客さんとお話することが増えて楽しい」

この日めくりカレンダーが商品開発のヒントになったこともありました。

(ジェラテリアクオーレ 山内仁美マネージャー)「自分たちもカレンダーを見て『りんごなし』を知って、このフルーツでジェラートを作り始めた。カレンダーで見るたびに、お客さんも毎年楽しみにしてくれている」

多くの人の暮らしの一部になっている「きりしま日めくり」。製作する清水さんもやりがいを感じています。

(清水美希さん)「カレンダーが日常のひとつになっているという言葉もくださったり、県外にいる子どもに送るっていう方もいて。なかなか帰れないから懐かしく感じているとか、そういうメッセージをもらってすごくうれしい」

地元の人にも離れている人にも。365日ページをめくるたび、霧島の風景を伝えます。

(清水美希さん)「霧島のことを知っている人には再発見の意味も込めて見てもらいたいし、知らない人には訪れるきっかけになれば」

きりしま日めくりは、今年の分はすでに完売。来年度分は11月中旬から、霧島市内の物産館や雑貨店などで販売します。
清水さんはMBCテレビ、日曜朝の「さつま狂句」の挿絵も担当されています。こちらもぜひ、ご覧ください。