画像鮮明化の価値は高画質や高感度だけではない

もちろん、映像技術はこれまでも大きく進化してきた。かつてのアナログテレビの標準画質だったSDから、地上デジタル放送以降のテレビ画質であるハイビジョン、さらにはフルハイビジョン、4K、8Kへと進化することで、表現できる色の数や画素数が格段に増え、高画質になった。

ただ、リサ・リサの技術は高画質や高感度だけを求めるものではないという。ロジック・アンド・デザインの北川彰専務取締役アカウント・マネジメント本部長は、画像鮮明化の価値を次のように説明した。

「5つの分野は用途も顧客も異なりますが、その判断を誤れば人命や不良品の流出、設備の事故などいずれも誤認識コストが高い分野です。各分野において画像に求められるのは、その分野におけるミッションを遂行する上で重要なポイントを正しく認識、判定、判断するためのベースとなる情報の提供です。つまり、リサ・リサや画像鮮明化アルゴリズムによってロジック・アンド・デザインが提供する本質的な価値とは、『判断品質』の向上を支援することになります」

画像鮮明化をリアルタイムで処理する技術を、低コストで導入できることもリサ・リサの特徴だ。ロジック・アンド・デザインでは今後、リサ・リサを半導体チップ単体や、チップと電源基板が2枚セットになった形態で販売するほか、事業者に必要な機能や回路を組み合わせたカスタム開発や、専用のシステム開発なども行うことにしている。

放送の分野でも、リサ・リサを中継カメラなどに活用することで、鮮明化した映像をリアルタイムで伝えることが可能になった。

現状では中継映像は伝送する際に圧縮されているため、若干の画質の劣化が起きている。それがカメラにリサ・リサが内蔵されることで、夜間の事件や事故、災害の現場などで、これまでは分からなかった現場の状況が、より詳細に分かるようになる。

“より視える化”を追求するロジック・アンド・デザインによる画像鮮明化は、国産の技術だ。世界で初めて開発された半導体チップが、画像の活用を大きく変えようとしている。

「調査情報デジタル」編集部

【調査情報デジタル】
1958年創刊のTBSの情報誌「調査情報」を引き継いだデジタル版のWebマガジン(TBSメディア総研発行)。テレビ、メディア等に関する多彩な論考と情報を掲載。原則、毎週土曜日午前中に2本程度の記事を公開・配信している。