ロサンゼルス五輪出場権を懸けた戦いの舞台に、甲斐優斗(23)の名前はなかった。その理由を、甲斐は静かに受け止めている。

だが、その静けさの奥に、揺れが見える。
欲が強いほど武器は揺れる。
男子代表監督のロラン・ティリが答える。

「アジア選手権の段階では、私はプレッシャーに強く、高度なスキルを備えた経験豊富なプレイヤーを必要としていました。そして甲斐は、その時点ではまだそのレベルには完全に到達していなかった。それが真実です」

ティリ監督

五輪も経験している選手が、なぜ。

「代表に来てから、本大会に選ばれなかったことは初めて。大きな怪我も特にせずに、ここまでやってきているので、人生で初めてです」

向き合いを問う。

20秒の沈黙――

「“実力不足”です。今シーズンは、特にネーションズリーグでは、自分の武器である“サーブ”というところで、チームに貢献できていなかった」