食べ物や日用品を景品にする専門店

いちばん新しい変化が、食べ物や日用品を景品にしたクレーンゲーム専門店です。ポイントは、景品を変えることで、お客さんの顔ぶれまで変えようとしていることです。

これまでクレーンゲームの景品の主役は、アニメやゲームのキャラクターのぬいぐるみやフィギュアでした。好きなキャラクターのグッズを集める、いわゆる推し活をする学生など若い世代が、主なお客さんです。ところが、お菓子や飲み物、調味料、生活雑貨が並ぶと、景品を欲しいと思う人の幅が一気に広がります。

イオングループでゲームセンターを運営するイオンファンタジーは、2025年の秋に「クレーン横丁 極(きわみ)」という新しいお店を始めました。会社の資料では、同じ会社のこれまでのゲームセンター「モーリーファンタジー」と並べて、その違いを説明しています。

モーリーファンタジーは、ぬいぐるみや玩具、キャラクターグッズが中心で、お客さんは子どもやファミリー、学生。極は、飲み物や食品、調味料、生活雑貨が中心で、平日は主婦層、週末は子ども連れの家族をお客さんとして見込んでいます。広い店内と「とれやすい」ことも特徴に掲げています。2026年9月の発表では、8月の売上が、出店した6店舗すべてで計画を上回ったといいます。

この業界にはゲーム会社ではない会社も入ってきています。パチンコ店を運営するダイナムのグループは、パチンコ店だった建物を作り替えて、クレーンゲームのお店を開きました。会社の発表では、倉庫のような大型のクレーンゲーム店がホビー商品やフィギュアを主役にしているのに対し、食品や日用品を景品の中心にしている点を最大の特徴に挙げています。メインのお客さんとして見込んでいるのは、主婦層や家族連れです。国道沿いで駐車場が広く、毎日の買い物のついでに寄れる場所です。埼玉県の会社が運営する専門店「エブリデイ」は、10円で遊べる台を看板にしています。

キャラクターのグッズを目当てに来る人に加えて、買い物のついでに寄る人まで呼び込む。景品の幅を広げることで、これまでゲームセンターにあまり足を運ばなかった大人や家族を、新しいお客さんとして連れてこようとしているのです。