今シーズン限りでの現役引退を表明している錦織圭(36、ユニクロ)が25日、自身最後の公式戦となる『木下グループジャパンオープンテニスチャンピオンシップス2026(ジャパンOP)』を前に会見した。

28日から開幕するジャパンOP。錦織は今大会、ワイルドカード(主催者推薦)としてシングルス本戦(30日)から登場する。「日本で最後の試合ができるっていうのは本当にボーナスみたいなものだと思って。自分にとってすごくありがたい終わり方ができるのかなとは思います」と、自国で最後の戦いに挑むことができる喜びを噛み締めた。

2007年のプロデビュー以来、長い間出場し続けてきたジャパンOP。錦織が「どの大会ともまた違う意味での大きな目標であって、ここで優勝するってことは格別なものだった」と話す、思い入れのある大会だった。過去の大会を振り返り、印象に残る場面として挙げたのは、大会連戦を乗り越えて初優勝を果たしたミロシュ・ラオニッチ(35)との決勝戦(2012年)。「優勝できた瞬間っていうのは今でも忘れない」と当時を懐かしんだ。

8月末、最後の全米OP予選に出場した時を「すごく熱い気持ちも取り戻せたし、ある程度自分の中でいい試合もできてたし、出し切れたなとは思った」と錦織。最後となる今大会に向け「もう正直悔いはないっちゃないですけど、悔いのないように。最後、自分のしたいテニスだったり、コート上で悔いなく終われるようにしたい」と力強く意気込んだ。

また会見では、前日のアジア大会で卓球男子団体が60年ぶりに金メダルを獲得したことや、サッカー男子がグループステージ全勝同士の対決に勝利し予選を首位通過したことにも触れ、「見ていてスポーツの力ってすごいなって。自分も勇気というか、やる気をもらえた。スポーツって他にはない、人に光を授けられるものだなと思ったので、それを最後に自分ができるのは嬉しい」と晴れやかな笑顔を見せた。

練習中の錦織選手

その後、全米OPの予選で対戦し、敗れた相手でIMGアカデミーの後輩・坂本怜(20)とラリーを交わした錦織。練習パートナーを務めた坂本は、錦織のプレーを「真ん中でラリーしてるだけでも速かったですね。こっちがもう息をする間もない感じでラリーがどんどん進んでいく」と、今なお健在の武器に感嘆した。

錦織のラストを飾る同大会に共に出場することに「本当に一生自慢できる感じのことだと思う」と話した坂本。最後は「できれば圭君と決勝(で戦うこと)。それが目標です」と力強く語った。

元世界ランク4位、2014年には全米オープン(全米OP)でアジア人初のグランドスラム準優勝を飾るなど長年テニス界をけん引してきた錦織は、5月に自身のインスタグラムで『このたび、今シーズンをもって現役を引退する決断をいたしました』と発表していた。