「アフガンにはもはや法の支配、基本的人権が存在しない」

百歩譲って「直ちに」危険が増すことはないとしても、現地スタッフがJICAで働いたという事実は消えない。「将来も」危険がないとは、誰も断言できない。

母国の治安情勢に詳しいアフガニスタン人は、この事態をどう見るのか。

「JICAの現地スタッフが表明している懸念を極めて深刻に受け止めています」

日本政府による退避で来日して難民認定され、いま、日本国内で暮らすアフガニスタン人の男性は、私の問いに厳しい現状認識を寄せた。

「根本的な問題は、もはやアフガニスタンには法の支配、適正な手続、司法の独立、基本的人権が存在していないところにあります。治安情勢は依然、予断を許さず、恣意的な逮捕・拘束、個人の権利の重大な制約など強権的な行為が報告され、たとえきょうは安全だとしても、明日は危険な状況に転落する…、境界線は紙一重です」

そして、次のように警鐘を鳴らす。

「外国や国際的な組織と関わって働いてきた職員は、当局だけでなく、そうした組織への協力は『忠実でない、利益に反する』とみなす人々からも疑いの目を向けられる可能性があります。契約満了時点で差し迫った脅威を示す証拠がないからと言って、外国人の目線で判断して職員が抱く不安を安易に退けてはいけない。重要なのは、JICAでの雇用に伴う組織的な保護という後ろ盾がなくなった時に、何が待ち受けているかです」