“困難な状況は理解しているが”…一蹴された「嘆願書」
現地スタッフはJICAの田中明彦理事長に宛てて「嘆願書」を作成、全員が署名して再考を求めた。
「嘆願書」はまず、タリバン政権下で雇い止めにされ、国際組織からの保護が失われた場合に迫害を受ける危険性に触れて、これはJICAが目指す「人間の安全保障」の理念に反すると指摘する。
「人間の安全保障」は、かつて理事長を務めた緒方貞子・元国連難民高等弁務官らが提唱したもので、JICAのホームページによると、目指すのは「人々を貧困や紛争、災害などの脅威から守り、一人ひとりの人間が可能性を実現する機会と選択肢を手にし、自ら脅威に対処できるようになること」とされている。
そのうえで「嘆願書」は、JICAの新たな枠組みの下、給与などの条件面で変更に応じる用意があることを伝えて、雇用の継続を願うとともに、それが不可能であればスタッフと家族が安全な場所に退避できるように支援を求めた。
しかし、8月中旬に示された回答は「日々、困難な状況にあってJICAの業務に対する並々ならぬ献身と多大な貢献に心より感謝の意を表します」とあるものの、結論は変わらないと一蹴し、安全な退避についても「スタッフとその家族が直面する困難な状況は理解しているが、契約の範囲内でのみサポートします」とあった。

















