「自主防災組織」の実態とコミュニティの課題

「共助」の重要性が高まる一方で、加藤氏は、住民の意識と受け皿となるコミュニティの実態に大きな課題があるという。

内閣府の調査では、家族や身近な人と防災について「話し合ったことがない」と答えた人が35%にのぼる。ニュースを見て「大変だ」と感じても、自分事として具体的に話し合うきっかけや場が少ないのが実情だ。

さらに、地域の受け皿となるべき自治会や町内会なども、高齢化や担い手不足で十分に機能していない。

国は地域防災の中核として「自主防災組織」を作るよう市町村に指示している。総務省のデータでは、全国の組織率は85%と非常に高いが、加藤氏は「町内会の加入率をそのまま組織率とみなしているケースが多く、実態を伴っているとは言えない。実際に自主防災組織の呼びかけで訓練などに参加した経験がある人は多くない」と指摘する。