課題の「スタート」克服へ 勝敗を分ける100分の1秒との闘い
大会を1か月後に控えた8月、池江はアメリカでの代表合宿に参加していた。短距離を専門とする競泳において、勝敗を左右するのはスタートだ。納得がいくまでスタート練習を繰り返し、タイムの向上を実感していた。
「すごく良かったです。NTC(ナショナルトレーニングセンター)で泳いでいた時よりもタイムが上がっていて、全体的には良くなっていると思います。50m種目はスタートが大事になってくるので、少しでも離される距離、時間を減らせたらなと。中国の選手で50mバタフライでまだ今シーズンはタイムが出てきている選手がいないので、負けない気持ちを持ってアジア大会に臨んでいい順位を獲れたらいいかなと思います」
帰国後、日本で練習を続ける池江のもとを二宮が訪れた。実際に高さ75cmのスタート台に立った二宮が「(後ろ足)乗せた時点で落ちそう」とその難しさを体感すると、池江は自身の課題について率直に明かした。

「スタートはめちゃくちゃ下手くそで。スプリンターって基本的にスタートが上手くなきゃいけないんですけど、スプリンターなのにスタートが下手という」
泳ぎの面で追い付いて追い抜く強みを持つ池江だからこそ、「その前にスタートさえ上手くなればもっといい」と課題克服に強い意欲を見せる。
そして話は、3度目となるアジア大会の位置づけへと及んだ。
「前回大会(杭州)の50mバタフライが3位だったので、それ以上の結果は出したいという気持ちもありますし、あとは自分がどこまで活躍できて、どこまで成長できてやり続けられるかを結構考えるので。今回のアジア大会も、最後になるか分からないですけど…もしかしたらまだやってるかもしれないですけど、結果を出して最後終わりたいなという気持ちもあります」

















