「こんなところで終わるのは、もったいない」

2025年から指導を受けるのは、高城直基コーチ。数々のオリンピックメダリストを育て上げてきたベテラン指導者だ。2年後のロサンゼルスオリンピックに照準を合わせ、二人三脚での歩みを続けている。

「技術的に見れば世界一」コーチも選手たちも、彼女の泳ぎをそう評する。水の抵抗を極限まで減らす動きに、まったく無駄がない。水面を滑るような姿は美しくさえある。

トップスピードは以前と変わらない。だが、その持続にはさらなる力とメンタルが求められる。

「復帰してからは苦しいことばかり。試合に出ても結果を出せず、劣等感に苛まれる」と彼女は明かす。2025年8月の世界水泳(シンガポール)では、得意の50mバタフライで決勝進出を果たせなかった。

それでも、彼女はプールに向かう。

「速くなりたいし、やっぱり水泳の人だって、もう1回思ってもらいたい。こんなところで終わるのは、もったいない気がする」