長年の謎――デイブマオアイトの水含有量

深さ410〜660 kmのマントル遷移層では、上部マントルの主要鉱物オリビンの高圧相であるウォズレアイトやリングウッダイトが2〜3 wt%もの水を保持できることが知られており、この領域における水貯蔵量は海洋の数倍に達する可能性すら指摘されてきました。

一方、深さ660 km以深の下部マントルでは、主要鉱物であるブリッジマナイトとフェロペリクレースはほとんど水を含まないことが分かっていました。

しかし、もう一つの主要鉱物、デイブマオアイト(CaSiO3ペロブスカイト)については事情が異なりました。

その水含有量は長年にわたって不明であり、「1 wt%以上の水を含む可能性がある」とする研究も存在しました。この不確定性が、地球深部の水循環モデルを構築するうえで大きな障壁となっていたのです。