専門家が警鐘「花こう岩による土砂崩れのおそれ」
周辺住民が最も心配しているのは「土砂崩れ」です。
(周辺住民)
「不安はあるわよ。削ったところは木が生えないでしょ。ここ2年くらい木も生えないしね。だから雨が降ったときに土砂がどのくらい流れていくのか」
「なんかもう丸坊主ですもんね。崩すだけ崩しているので緩んでいる気がするので。大雨とか降った時の土砂災害とかが不安と」
では土砂崩れのおそれはあるのでしょうか。現地を視察した斜面災害の専門家である京都大学防災研究所・斜面災害研究センター長の王功輝教授はこの周辺の山を形成している『花こう岩』に問題があると指摘します。
(京都大学防災研究所・斜面災害研究センター長 王功輝教授)
「危ないなと思います、正直に言うと。花こう岩は風化が速いんですよ。今は大丈夫ですけど、ずっとほっといてしまうとよくない。風化した花こう岩は特殊な性質を持っています。ちょっと滑りだすと一気に滑りだす。そして落ちてくると土の中に大きい石が一緒に入っていることがよくあるんですよ。現場を見たらそういう石があってもおかしくないと感じた」
花こう岩でできた地盤は、雨や風に長い間さらされて風化すると、表面部分が土のように柔らかくなります。一方で、その内部では岩の形のまま残る部分もあり、大雨が降った際に土とともに岩も一緒に流されて大きな被害を及ぼすおそれがあるのです。
2018年に発生した西日本豪雨では、風化した花こう岩が原因で土石流が起こり、流れ出た岩によって被害が拡大したといいます。