青森県の最低賃金を現在の額から61円引き上げ、時給1090円とするよう答申されました。過去2番目の引き上げ額となり、労働者側からは歓迎、使用者側からは懸念の声が上がりました

青森地方最低賃金審議会は26日、青森労働局の角井伸一 局長に対して県内の最低賃金を現在の時給1029円から61円引き上げ、1090円とする答申を行いました。

国の審議会が示した目安額を5円上回る引き上げ額で、過去2番目の引き上げ幅です。

労働者側は、当初希望していた101円の引き上げとは開きがあるものの、結審の内容を評価しています。

【労働者側】連合青森 中野隼 事務局長
「食料品の消費者物価指数の上昇率を含めて、とりわけ最低賃金近傍で働いている労働者に対しての影響度合いが一定加味されたことについては、我々としては評価に値したい」

一方で、使用者側にとっては中小企業の春の賃上げ率を参考に、26日の専門部会では46円の引き上げを提示。労働者側に歩み寄ったものの、それを上回る額で決着し、採決では3人の委員全員が反対しました。

引き上げは2025年が過去最大の76円、2024年が55円と3年連続で高い水準となり、企業の事業継続への懸念も示しています。

【使用者側】県経営者協会 小山田康雄 専務理事
「経営者側にとっては非常に厳しい内容だと受け止めています。わずか3年で20%以上最低賃金が上昇している。非常に賃上げ余力がなくなっている中で、今般の中東情勢も踏まえて企業物価も上昇している。これに対応できる企業は限られるのではないかと受け止めています」

県内の企業で働く県民からは、所得向上につながると期待する声が上がりました。

県民
「一人暮らしをしているので、物価高で普通に生活するだけでも大変だから、ありがたいですね」

県民
「所得が低くて、皆さん生活が苦しい中やりくりしていると思うので、その中で時給が上がってくると余裕ができて、経済が豊かになるのではないかなと思います」

東京など大都市との賃金格差の是正を歓迎する声も聞かれました。

東京からの帰省客
「このまま上がっていってくれたらいいなとは思う。東京とかと、もう少し近づいてくれたら青森にいる人も増えるかなと思うので」
Q.上がったことをきっかけに青森へのUターンは考える?
「上がってくれたら、ちょっとは考えるかな」

こちらの大学生は、青森市のラーメン店「大勝軒本店」で最低賃金を上回る時給1150円で働いていますが、この賃上げの流れはモチベーションに直結すると話します。

アルバイトの大学生
「自分の生活のお金もあるし、友達と遊ぶお金もほしいので、モチベーションになりますし、シンプルにもっとたくさんシフトに出ようと思いますね」

店を経営する野呂綱孝 社長は、2025年も100円引き上げるなど毎年賃金を見直していて、10月からは正社員の週休2日制を導入する予定です。

最低賃金だけではなく、働く環境などの待遇を向上することで人材確保を図っています。

青森大勝軒 野呂綱孝 社長
「魅力ある職種にしたいので、経営者として努力して。(賃金が)強制的に上がっていくのは確かにきついというのはある。ただ、それに向かって努力する。ある意味チャンスだと思っています」

一方、物価高騰が続くなか、年々上昇する人件費。これをそのまま商品の価格に転嫁するのは客離れにつながる懸念もあり、メニューの値上げには踏み切れないといいます。

青森大勝軒 野呂綱孝 社長
「時給=ラーメンのデフォルト料金と言われている。14年前、時給700円で700円のラーメンを売っていた。ただ、今はラーメン950円で時給1029円」

労使双方が抱える事情を汲んだなかで答申された今回の最低賃金。

9月10日までに異議・申し立てがなければ、10月29日に適用されます。

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