赤根所長へ制裁 トランプ氏がICC敵視のワケとは

では、トランプ政権はなぜICCを目の敵にしているのでしょうか。

盟友ネタニヤフ首相に逮捕状が出されたことにも強く反発してきましたが、2025年以降、カリブ海で麻薬取締と称して密輸船と見なした船を攻撃して多数の死者を出したことや、ベネズエラやイランへの攻撃などに対し、国際法違反だとの批判が相次いでいることが背景にあるとみられます。

実際、密輸船への攻撃をめぐってICCの元検察官が「人道に対する犯罪にあたる」と指摘すると、トランプ政権は「ICCの解体」まで主張し、赤根所長への制裁に踏み切りました。

ICCを否定してしまえば、ICCのトップ赤根所長が理想とする「法の支配による世界平和」ではなく「力」が支配する時代に逆戻りしかねません。

2024年、赤根所長は演説で、ブルース・リーの代表作「燃えよドラゴン」の言葉を引用し、「どうか月を見てください。月をさしている指の方ではなく」と訴えました。

月は、ICCが追及する「大量虐殺や戦争犯罪など」。月をさす指は「ICC」のこと。

問題を指摘したICCに注目するのではなく、「世界で今起きている虐殺や戦争に注目してほしい」という意味が込められています。