男性中心の古い組織から脱却し「同じスタートライン」へ
この日本の「雇用」の仕組みは、若い労働力が豊富だった高度成長期には、一定の合理性があった。企業は若い男性社員を低い賃金で大量に採用し、「将来給料を上げる」という約束のもとで長時間労働や転勤を受け入れさせ、成長を遂げてきた。その背景には、家庭で妻が家事や育児を担い、夫の働き方を支えるという性別役割分業があった。
しかし、少子高齢化が進み、人口ピラミッドが逆三角形となった現代において、この仕組みは限界を迎えていると笹野さんは指摘する。かつての成功体験に縛られ、意思決定層が男性中心の古い価値観のまま固まっている組織では、深刻な人手不足に対応できないばかりか、多様な視点が意思決定に反映されにくく、組織の変化への対応も難しくなると笹野さんは警鐘を鳴らす。
こうした停滞した構造を打ち破るために、今回の「女性活躍推進条例」のような行政の枠組みが果たす役割は大きい。
笹野さんは、長年続いてきた職場の慣習や固定観念を企業単体で変えるのは容易ではないとしたうえで、「これまで『男性社員の働き方』を標準としてきた職場の条件を見直し、誰もが「同じスタートラインに立てる」ようにする。そのための明確なルールを社会全体で示すことこそが、性別問わず誰もが活躍できる環境づくりの第一歩となる」と条例の意義を強調した。














