東京都「女性活躍推進条例」の背景にある日本型雇用の限界
東京都の条例施行について少子化問題などに詳しい茨城大学講師の笹野美佐恵さんは、議論の前提に「日本の伝統的な雇用構造」に目を向ける必要性を指摘する。
笹野さんによると、これまでの日本企業は、長時間労働や転勤に柔軟に対応できる「男性正社員」の働き方を標準とみなし、職場制度を形づくってきた。そのため、妊娠・出産や育児、介護などによって時間や勤務地に制約のある人は、標準的な働き手として想定されにくかった。
正社員や将来の管理職候補である「総合職」を占める女性の割合は依然として低い。厚生労働省の「雇用均等基本調査」を見ても、「総合職」を占める女性は約2割強にとどまるなど、キャリア形成の男女差は大きい。さらに、税制や社会保険、企業の家族手当なども「夫に扶養される妻」を前提とした仕組みが残っている。そのため、出産や育児などで一度キャリアを離脱した女性は、再就職時に非正規雇用となるケースが多く、女性がキャリアを築くことを構造的に難しくしてきたと、笹野さんは分析する。














