残された時間はわずか…終わらない残留2世の戦後

また、残留2世の平均年齢は84歳。

記憶の風化も国籍回復をさらに困難にしていて、フィリピン日系人会(ダバオ)のアントニーナ・エスコビリャ氏によると、「認知症を患い、家族の顔さえも認識できない2世もいる」という。

フィリピン日系人会(ダバオ) アントニーナ・エスコビリャ氏

日本の外務省は1995年以降、残留2世の国籍取得のための調査などを支援してきた。
2015年に安倍晋三総理(当時)が残留2世の訪日代表団と面会したほか、2025年にはフィリピンを訪問した石破茂総理(当時)が残留2世と面会。外務省は残留2世の訪日費用を国費で負担する事業も始めている。

ただ、残された時間は少ない。

フィリピン日系人リーガルサポートセンター・猪俣典弘代表理事
「フィリピン残留日本人を支援する法整備はなされてない。もう調査ではなく、彼らに国籍を与えて、救済できるように立法府の力を借りるしか、解決できる方法はないと思う」

今年、日本とフィリピンは国交正常化70周年を迎えた。

5月に来日したマルコス大統領と高市早苗総理の首脳会談後に発表された共同声明には、残留2世の国籍取得などに関する日本政府の取り組みをフィリピン側が認識し、手続きの円滑化に協力することが明記された。

戦争に翻弄され、過酷な人生を歩んできた残留2世たち。

終戦から81年。彼らの戦後はまだ終わっていない。