目指したのは寄り添うような音作り

金曜ドラマ『Tシャツが乾くまで』第5話より

劇伴音楽作りにおいて、haruka nakamuraさんは、「音楽の自我を押し付けるのではなく並走するようなイメージ」で作ることを心がけているという。

とある事故がきっかけで、当たり前に続いていくと思っていた幸せな日常が、突如崩れ去ってしまった二組の夫婦の喪失から始まる“愛”と“秘密”を描く本作。

楽曲制作にあたり、本作の演出を務める土井裕泰監督から「テーマとしては、隣にいる夫婦であれ、本当のところは分からない部分もあるし、理解し合えていないところもありながらも生きている」と話されたという。

劇伴音楽制作には、完成した映像に合わせて、音楽を制作していく“フィルムスコアリング”という手法と、イメージを共有した上で先行して曲を作り、シーンに編集の段階で当てていく手法がある。ドラマでは後者が主流で、本作もそうだった。

監督からの説明、脚本から、イメージを膨らませていくharuka nakamuraさん。さまざまな思いを抱えながらも前に進んでいく、「慈しみのようなものがある物語」と本作を捉え、登場人物たちの人間模様とともに、寄り添うような音作りを意識したという。

また、haruka nakamuraさんの楽曲には、環境音に溶け込むようなアンビエント音楽(環境音楽)とジャンル分けされるものがある。今回土井監督からリクエストされたのは、“アンビエントな雰囲気でまとまりすぎず、フレーズが印象に残るもの”と“フレーズとドラマのイメージが直結するようなメインテーマ”だったそうだ。