「恐怖心を植え付け相手を支配する卑劣なやり方」専門家が指摘する暴力的経営の闇

こうした暴力的な運営はなぜ生まれたのか?農業分野の外国人労働者問題に詳しい北海学園大学経済学部の宮入隆教授に話を聞いた。
私たちが入手した録音データや動画をチェックしてもらい、ミャンマー人たちの証言を説明すると宮入教授は開口一番こう答えた。
「外国人、日本人とか関係なく、相手を支配するために、脅したり恫喝したり、恐怖心を植え付けて、逃げられないようにするのは本当に一番卑劣でやっちゃいけないやり方です」
宮入教授は、北海道農業における外国人技能実習生の受入状況の実態を調査してきた。
これまでにもこういう事例はあったか?
「農業の世界でも、まれに暴力的な事例は、あることはあります。ただ北海道に限って言うとほぼゼロ、ありえないですね。一つには、長い歴史の中で外国人の受け入れ体制を作っていく中で、農協とかJAグループがしっかりと指導してきたことも大きいんですよ。企業が問題を起こして処分を受けたあとに別会社を作るということはできますが、農協は地域から逃げられないですよね。ずっと同じ地域にいる。しかもそこで1人が問題を起こしたら、地域全体が外国人労働者を受け入れられなくなることは、よくわかっています。だから指導して問題の起こらないようにしてきたというのが北海道の歴史にあるんですね。だからここまで相手を脅し、怖がらせて、人格的に支配していくみたいなやり方は、北海道では聞かないんですよね。びっくりしました」
一方で、外国人が多く働く地域でこうした問題が起きたことにも驚きを隠さない。
「京極町は羊蹄山麓にあるわけですが、この地域は北海道の中でも野菜の生産が多くて大規模経営で野菜を生産する人たちがたくさんいます。早くから外国人をたくさん受け入れてきた地域でもあり、外国人受け入れのノウハウがあります。近くにはニセコなりのインバウンドとか、お金持ちの外国人も来る地域もあり、いろんな人たちが絶えず出入りする地域です。そういった意味で、外国人を受け入れやすいということは間違いなくあったと思いますが、暴力的な経営が京極町だから起きたということではないと思います。やっぱり何らかの、そういう問題をやっても大丈夫という雰囲気ができちゃったところにも問題があると思います。こういう地域だから京極町だからこういう事例が出たというよりは、個別の経営の事情。家族中心でやっていて、そこでできたことが何かそのまま拡大しちゃった。そんな問題があるんじゃないかなと感じて怖くはなります」














