―――三つ目の理由は「ロシア軍の内部に不協和音」。ロシア軍の兵士は現在115万人で、2026年までに150万人にするとプーチン大統領が決定するも、既に970万人のロシア人が国外に脱出して、深刻な兵士不足に陥りつつあります。970万人というと東京23区の区民ぐらいの人数だそう。

昨年2月からもう970万人、これはロシアの労働人口の13%に相当するんです、そんなに出ていってるんです。今週入ってきたニュースなんですけども、ロシアの連邦議会の下院で、出ていった人の残った財産、例えばアパートとか自動車とかを国が没収するという法案を今準備始めたというニュースも入ってきています。

脱出者の半分の人たちが、住んでいるアパートを売り払ってから出ようとしていて、いまモスクワの都心の分譲マンションが、6割も安く売られるようになった、つまり買い手がつかない状況なんでしょう。モスクワの空港に行くと、もうチェックインで長蛇の行列らしいです。

―――そしてロシア軍の中では「民間軍事会社・ワグネルが囚人などをリクルートして戦場に送っている」という話もありますが、その家族からの問い合わせが国防省にあってもゲラシモフ参謀総長は「そんなことは知らない」と言ったといい、もしかするとプリゴジン氏の「ワグネル」とゲラシモフ総長のいわゆる「正規軍」に溝があるんじゃないかと。

大きな溝があるみたいです。実はロシア軍といっても二つの組織、ワグネルと国防軍が両方戦ってるようなイメージで、指揮系統は全く別なんです。ワグネルには約5万人の兵士がいてその中の4万人が囚人とされ、恩赦として半年間従軍すれば罪を赦すということでリクルートされているといいますけれど、その家族や親族からすれば、戦地に行った息子たちが行方不明になったりするわけです。

国防省の方に問い合わせてもゲラシモフ参謀総長が「自分たちとは何も関わりのない組織で知らないよ」ということです。ロシア正規軍だと亡くなったときや怪我をしたときに補償があるんです。でもワグネルの場合はないですね。そういった違いがあるわけなんです。対立しています。ゲラシモフさんは、プリゴジンさんに対して、自分たちとは全く別の組織であると明言しているぐらい。戦果を自分たちのものにしたいんでしょうか。

―――そして、ウクライナメディアが伝えたゼレンスキー大統領の発言が話題になっています。18日の世界経済フォーラム・ダボス会議で「プーチン大統領が生きているかどうか確信が持てない」と発言したと報道されています。