母親も死んだ…もう一人の弟も死んだ…「自分は鬼」
母もまた、原爆の放射線障害に蝕まれていきました。
「弟と姉を焼いた十日目、8月23日には母も死んでいくんですね。当時としてはよく見る光景でした…歯ぐきなんかから出血しましてね。体を見ると斑点が出てくる。もうこうなると、何日ももたんですから…その通りになっていきました」
次々と家族を失う中で、山田さんの心は麻痺していきました。

「私はね、母が死んだときも涙は出なかったんですよ。『やっぱり死んだか』と。そして翌日、弟も死んでいくんですね…。母と姉弟を焼いて、涙ひとつこぼさなかったっていうのはね…やっぱり鬼だろうと。それこそ遺体に取りすがって泣くのが当たり前だろうと思うんやけど、その時はそういう気持ちにならなかったんよ。『お母さんも死んだか』って。非常に客観的な感じだよね。そのことがね、後になっては悲しかったのよ」














