第168回芥川賞に、仙台市の書店員でもある佐藤厚志さん(40)の「荒地の家族」など2つの作品が選ばれました。

佐藤さんの「荒地の家族」は、東日本大震災の津波で仕事道具を失い、その2年後には妻を病気で亡くした40歳の植木職人の男性が葛藤し、もがきながらも生活を立て直そうとする物語です。

芥川賞 佐藤厚志さん
「(東日本大震災が)忘れられることに、ささやかな抵抗になれば結果的にいいかなと。地元がすごく盛り上がっていて本当によかった。みんな喜んでいるんじゃないか」

もう1作は井戸川射子さん(35)の「この世の喜びよ」です。ショッピングセンターの喪服売り場で働く女性主人公と、センターのフードコートにずっと座っている少女の交流を描いた作品です。

2人とも初ノミネートでの受賞となりました。

直木賞はどちらも時代小説で、小川哲さん(36)の「地図と拳」と千早茜さん(43)の「しろがねの葉」の2作品が選ばれました。