後遺症を抱えながらの社会復帰、体調に合わせて働ける仕組みを

小梶さんは今、地元の人から提案を受け、北軽井沢のアパートの一室を借り飲食店を始めています。

小梶さん
「失業手当が切れるかもというリミットに焦っている時に『店をやればいいんじゃないか』って提案をいただいて」

メニューには、自身がコロナ後遺症で療養中であることも隠さず記載しました。


小梶さん
「飲食業なので『料理遅いぞ』というプレッシャーもあるし、注文されたものを忘れちゃったりする恐れもあるし。予防線を張っていくというか」

今は毎朝、体調を見ながら、自分のペースで働いています。

小梶さん
「自分の体を最優先で。体調の悪い日は閉めますよみたいな感じ」

買い出しにいく近所の野菜の直売所。地元の人ともすっかり顔なじみになり、無料で食材を譲り受けることもあるそうです。

直売所の社長
「一袋もってけ~って感じであげてます」

小梶さん
「持てないくらいいただいて」

直売所の社長
「人懐っこくていい子なんだよ。面倒みてやりたいなって」


店は評判を呼び、午後5時の営業時間になると、観光客や地元の人達で賑わいます。

地元の客
「大変な症状がありながらも、前向きに自分でやろうって人は、みんな応援したくなるんだろうなって」

地元の客
「自分も数年前に移住してきたんですけど。やっぱり、都会でやってて体を壊したりとか、色々重なって。『一緒に頑張ろうな』みたいな」


小梶さん自身も後遺症を抱えながらの社会復帰には、周囲の理解や支援が欠かせないと感じています。

小梶さん
「調子が悪い日は休みます。調子がいいので今日はやりますという形でも、社会に復帰できたこと、受け入れてもらえたことがすごく嬉しくて。コロナ後遺症で苦しんでいる人は、いつ治るかわからない、一生そうかもしれないので。自分の体調に合わせて働ける仕組みが、世の中的にもう少し進むと、こういう症状の方が社会復帰していけるのではないか」