日本は「冷めてもおいしい料理」を磨いた
日本料理でも、焼きたての魚や揚げたての天ぷらは熱いうちがおいしい料理です。しかし弁当に入る煮物や焼き物、卵焼きは、冷めても味のバランスが崩れないように作られてきました。
煮物は冷める過程で煮汁が食材にしみ込み、味がなじみます。味付けも、冷めた状態で食べることを見込んで調整されています。
背景には、持ち歩く場面の広がりがあります。江戸時代には花見や芝居見物、旅などで弁当を携える習慣が定着し、冷めた状態で食べる料理の技術が積み上がりました。歌舞伎の幕間で食べられていた「幕の内弁当」はその代表です。
明治に入ると、鉄道の普及とともに、蒸気機関車の旅を楽しむ人のために駅売りの弁当が登場しました。これが「駅弁」の始まりです。














