ウクライナの首都キーウから西へ約30キロに位置する街、ブチャ。この街は首都侵攻への足がかりとして、1か月余りにわたってロシア軍に占領され、戦争の傷跡は今も多く残る。

教会の敷地に埋められた数えきれない数の遺体や、破壊しつくされた整然と並んでいたはずの住宅街。ロシア軍が撤退した後の現地に入ったJNNのカメラが捉えたのは、ロシア軍が尽くした非道の限りを示す実情だった。

■道端に打ち捨てられた軍用車両 ブチャへ続く道の中で

増尾聡 記者
「首都キーウからブチャへと続く道には、軍用車両が破壊された状態で残されています」


4月13日。ウクライナの首都・キーウから延びる、あと10キロほどでブチャにつながる道の脇には、破壊された多数の軍用車両が打ち捨てられています。

車体にはアルファベットの「V」の文字。ロシアの軍用車両だったと思われます。


ロシア軍はブチャからキーウへと侵攻を強めようとしていましたが、ウクライナ軍によって破壊されました。周辺に残されているものは、ありとあらゆるものが真っ黒に焼け焦げています。ロシア兵のものと思われる靴も残されていて、ここで起きた戦闘の激しさを伺わせます。


増尾記者
「あちらでは、ロシア兵の遺体の一部も見つかっています」

■埋められた多数の市民の遺体 “占領された街”の現実

取材団はブチャの街に入ります。目的は、“ある作業”を取材すること。

増尾記者
「ブチャの教会ですが、この敷地内には多くの遺体が残っています」

取材の目的は、ブチャの教会の敷地内に埋められた遺体の掘り起こしと、その後の検視作業です。周辺は規制線で囲まれ、物々しい雰囲気の中、クレーン車などの重機を使って作業が行われていました。


教会の敷地内に掘られた穴の中には数多くの遺体が並んでいました。遺体は作業員の手で掘り起こし作業が進められます。

増尾記者
「検視官がボディバッグを開けて遺体を確認しています」

袋に収められていたのは、黒い服を着た男性。一般市民だと思われます。道路に放置されていた遺体や、病院で息を引き取った遺体が敷地内に埋められているということです。


増尾記者
「余りの市民の遺体の多さに、こうした作業は日々続けられています」

遺体を掘り起こしては、検視官が一体一体確認。殺害された方法や、殺害した人の身分を特定する作業が進められています。カメラは、ただひたすらに作業を続ける人々の様子を捉えていました。