喜入友浩キャスター「午後9時前です。こちらの駐車場には、消防車が数多く止められています。隣の広場には大きなテントがいくつも建てられています。鹿児島県から来た緊急消防援助隊の拠点です」

全国各地から応援に駆けつけている緊急援助隊。生活支援や救助活動にも参加していますが、その被災地では、生存率が大幅に下がるとされる「72時間」が刻一刻と迫っています。

震度6強を観測した八代市。

植草峻 RKBアナウンサー
「重機を使って2階部分の屋根を持ち上げて、30人以上の隊員で救出作業を行っています」

地震後、2人が中に閉じ込められ、1人は自力で避難。90代の男性が取り残されたままになっていました。救助活動中には…

隊員
「退避!退避!退避!」

突如、警報が鳴り響き、現場に緊張が走ります。その後、活動は再開され、隙間が広がったのか、一斉に崩れた住宅の中に入っていく隊員たち。このあと、90代の男性が発見されましたが、その後、病院で死亡が確認されたといいます。

記者
「午前8時半です。イオンモール熊本で今、複数の警察官、救急隊員がブルーシートを広げて集まっています」

28日、地震からおよそ1時間20分後に爆発があった嘉島町の「イオンモール熊本」。爆発の瞬間を捉えた新たな映像です。

2階の広い範囲が一気に吹き飛ばされ、駐車場全体が一瞬にして煙に覆われました。建物の方向から走って逃げる人の姿も。

30日に内部で撮影されたドローンの映像には、爆発があったとみられる2階のファッションや雑貨のエリア。爆風の影響が色濃く残っていました。

さらに、爆発が起きた場所に近づくと、店内は原形をとどめないほど無残な状態に。救助活動に参加している災害派遣医療チーム=DMATの松永医師が30日朝の様子を明かしました。

九州大学病院医師 DMAT 松永俊太郎さん
「お客さんを避難させたあとに、またスタッフルームの方に荷物を取りに行ったという証言があった。がれきをどかしたあとに探査犬を投入して、ここに傷病者がいるかもしれないという合図をしたので、そこを重機でがれきをどかしたところ、発見された。残念ながら、けさ、2人の死亡確認をさせていただいた」

イオンモール熊本では、これまでに12人が助け出されましたが、このうち7人が死亡し、5人がけがをしています。

一方、日本製紙八代工場の煙突が倒れる瞬間の映像。工場内に11人が閉じ込められ、全員が救助されましたが、8人が死亡、2人がけがをしていて、残る1人の状況は不明です。

熊本県によると、午後7時時点で、34人の死亡を確認したということです。

ライフラインも深刻です。30日午後4時時点で、およそ1万9000戸が停電し、断水もおよそ8万戸で続いています。また、390の避難所で、およそ9200人が避難を余儀なくされていて、被災者の支援が急務となっています。

報告
「八代市の鏡町です、辺り一帯は停電していますが、避難所には電気の供給車が来ていて、エアコンが復活したということです」

ただ、広い体育館では、冷房が行き渡りにくいのか、ネッククーラーをつけている人の姿も見られました。

避難する人
「汗もあるし、髪の毛も。これ(Tシャツ)も3日着ている。シャワーでもいいから浴びたい」

さらに、取材中、80代の女性が救急搬送。避難所に来てから食欲不振が続き、体調不良になったとみられます。

被災者の健康をどう守るのか。八代市の別の避難所では、災害現場などで支援活動を行う団体が被災者の診察にあたりました。

被災者
「首と肩と…」

医師
「地震のときにぶつけたんですか?」

被災者
「ぶつけていると思いますね。襖が2枚当たったの。動きが取れなかったんです、しばらくは」

医師
「誰かが助けてくれたんですか?」

被災者
「誰もいないから、自分で(脱出)しました」

地震後初めて、診察を受けることができた女性。むち打ちになっている可能性があるとして、痛み止めを飲んで様子を見ることになりました。

こちらの避難所では、この日、16人が診察を受けたということです。

ピースウィンズ・ジャパン 森田幸子さん
「地震に遭ってからまだ1回も病院受診されていなくて、(けがは)大丈夫なのか不安を持たれている患者さんや、血圧の薬などが足りない患者さんが薬を求めて来ています」

地域での助け合いも広がっています。

記者
「八代市の鏡町です。井戸水が湧いているため、無料でシャワーの貸し出しなどを行っています」

井戸水をくみに来た人
「水は大事だけん。水なければ、生きていかれん」

男性は地震発生後、初めてシャワーを浴びることができました。

地震後初めてシャワーを浴びた男性
「冷たいっす。めちゃくちゃ冷たかったです。シートみたいなのでは拭くけど、自分が臭いかなっていうのがずっと続くので、やっぱり浴びたいなーって」

3日目を迎えた避難生活は、暑さとの戦いでもあります。

喜入友浩キャスター
「きょうも太陽の光がジリジリと照りつけ、汗が噴き出るような厳しい暑さとなっています」

猛暑日となった八代市。ただ、市内ではエアコンを使うための電気が多くの家庭で復旧していません。

では、この厳しい暑さの中、どのような生活をしているのでしょうか。

喜入友浩キャスター
「こちら、ガレージにみなさんいらっしゃいますね」

家族5人で暮らす松田匡史さん(45)。

喜入友浩キャスター
「倒れてきていますね。上の照明もぶら下がっている」

外れた照明も、割れたガラスもまだそのままです。さらに…

松田匡史さん
「電気がまだ来ていなくて、水道もまだ来ていないです」

余震への不安。そして、エアコンが使えないことから日中は風通しのいい外へ。夜はエアコンを効かせた車の中で寝ているといいます。

松田匡史さん
「(Q.発電機に?)発電機につないでいます。氷を使えるように」

発電機で製氷機や冷蔵庫を動かすほか、カセットコンロで料理をしていました。

松田匡史さんの母
「(Q.今、何を茹でている?)野菜です。野菜とかがなかなかとれないでしょう。カップ麺とかそんなのばかり。自家製の野菜を茹でています」

松田匡史さん
「(Q.不便はいろいろあると思う)みんな一緒だからしょうがない。いかに普段の生活が、当たり前の生活ができないことは本当に不便ですよね」

さらに、電気に加えて、どうしても欠かせないのが水です。給水所には、空のペットボトルなどを手に、多くの人が集まりました。八代市では午後2時時点、1万8000戸で断水が続いています。

「本当に命の水で。知ってはいましたけど、実際にここまでなるとですね…」

29日から営業を再開した八代市のスーパーでも…

買い物客
「アイスとか飲み物とか、外暑いので、その分、冷えるものが買えて良かった。(Q.ここはお手洗いとか水道は使える?)水とか自然に出ていた。石鹸とかもあって、手を洗うことができた」

買い物客
「(Q.久しぶりの水はどうだった?)冷たかった、めっちゃ。綺麗な水が久しぶりだった」

ラ・ムー八代鏡 橋本猛 店長
「飲料水や氷がとても売れている」

支援に動き出した地元の店も。井戸水を使い営業を続ける飲食店。市の許可を得たうえで、被災者に水を配っているのです。

辛麺屋・桝元 店長
「助け合いの精神。困っているなら助けようと」

市内に住む山口博子さん(66)。給水所や店では、水を手に入れることができませんでした。

山口博子さん
「水がないというのが本当に苦痛で。着替えることしかできない。洗濯物は溜まるし。『水はどうしよう』となって、ここに来たような感じ」

夫と娘、義理の母と暮らす“断水生活”は3日目です。食事で使う皿にはアルミホイルを敷き、食器洗いの水を節約。当然、入浴はできません。

山口博子さん
「蛇口をひねっているけど出ない。栓をして水をためて、ペーパータオルを濡らして拭くしかない。こういうやり方で」

被災者の我慢の日々が続いています。