「人は人だけで生きているのではない」を自然と実感

大石先生「大川浜の浜びらきは、能登半島地震による海岸隆起で従来よりもとても大きく広がった砂浜を見て、『これはなにかしないと!せっかく自然が与えてくれたこの素晴らしい舞台をただ指を咥えて見ているだけではなく、ちゃんと活用できるだけの自力を付けて、さまざまに利用させてもらおうじゃないか!』という想いではじめたものです。

ですから、『自然の中に人が一時おじゃまして、楽しませてもらう』という感覚が、とても強いイベントです。

広い砂浜という立地を活かして何ができるかを考えたときに、ビーチスポーツをしたり、ステージを組んで披露してもらったり、広大な自然の中で飲食をするのは楽しそうだと思いました。これらはあくまで着想のきっかけに過ぎなくて、そんな様子を見て、『自分だったらこんなことをするのに!』と、さまざまに発想してもらえたらと思っています。

また、奥能登豪雨により大川浜に辿り着いた流木を集めて、キャンプファイヤーもしました。

地震により浜が広がり、そして多量の流木がある今しかできないことです。昨年よりも大きな火となり圧倒的な存在感を放っていましたが、それでも大川浜の懐の深さからするとまだまだ大きくても受け入れてくれると感じました。

全ての存在に感謝し、謙虚な気持ちで自然の中に溶け込むことで、人は『人だけで生きているのではない』ということを、自然と実感できる場でもあります。

私にとって、桜フェスと浜びらきは特別なイベントです。今年も全力で楽しみながら準備を進めてきました。来年の町野川河口域がどうなっているか見当もつきませんが、イベントが出来る環境であれば、地元の人たちだけでなく、町野町を訪れる方々にも、灼熱の砂浜を満喫してもらえたらと思っています」

MRO北陸放送では、被災地の声を集め続ける藤本さんが見つめる被災地の現状をNEWS DIGで、毎月掲載します。

藤本透
シナリオライター。アプリゲーム『ノラネコと恋の錬金術』メインシナリオライター。『ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル』、『ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル2』のシナリオ執筆に携わるほか、様々なジャンルでの執筆を手がける。石川県輪島市町野町出身で、石川県を舞台に描かれたアニメ「花咲くいろは」の小説版を執筆。2024年1月1日の能登半島地震発生以降、SNSを通じてふるさとの情報を日々きめ細かく発信している。