15mの防潮堤と巨大水門を整備 自然環境の再生は?

公園とその周辺では毎年この時期になると水辺に生息する鳥たちの観察会が行われています。

(釜石野鳥の会 菊地利明さん)
「マガモが1羽ね、頭が緑の。はいはい、なんかつついていますね。だいたい野鳥は早起きなんで、朝早いうちに食事に行きますね」
この場所で30年以上前から野鳥の観察をしてきた釜石野鳥の会の菊地利明さんです。

(菊地利明さん)
「津波の後ですね、直後に来てみたんですけど、すっかり何もなくなっちゃって本当に…。元通りになるのか(分からず)ちょっとがっかりしました」
東日本大震災の前、このあたりは田んぼや畑が広がり、鵜住居川の河口には広い砂浜と手付かずの自然が残され、数多くの鳥や生き物を育んでいました。

しかし2011年3月、津波によって生き物たちの生息地が失われてしまいました。
震災後、復興事業によって高さ15メートルの防潮堤と巨大な水門が築かれ、津波への防災機能が強化されました。一方で、防潮堤によって海と分断されてしまった河口の自然環境をどう再生するかが課題になりました。

「自然環境を残して欲しい」という市民の声に、釜石市は専門家の調査をもとに池を設計し、潮の満ち引きによって河口の水が池に流れ込む取水口を設けるなど震災前のような水辺の自然環境を再現しました。