東日本大震災はさまざまな動植物が生きる自然環境にも重大な影響を及ぼしました。岩手県釜石市で津波防災と併せて自然環境の再生を試みる公園を取材しました。震災から間もなく12年、津波で失われた野生生物の生息地の今です。

市民に親しまれる「片岸公園」 “減災”機能を持つ憩いの場

 釜石市の片岸公園です。鵜住居川の河口に位置し、広さは約6.7ヘクタール。サッカー場およそ9個分の広さの公園は、大きな池の周囲に緑地や遊歩道が設けられ、憩いの場として市民に愛されています。

(公園を利用する人)
「(いかがですか公園は?)いいですよね。外回りと内回りの池(の遊歩道)があって変化に富んで、ハクチョウもけっこう増えてきました。散歩に来ている方もいるし、みんな楽しんで散歩していると思います」

 公園は地域の憩いの場としてだけでなく、防潮堤を越えて押し寄せた津波を一時的にこの場所にとどめ、周辺の住宅地への浸水を遅らせる減災の機能を担っています。