脚注に「日銀の自主性」

正式決定された「骨太の方針」の該当部分を読むと、まず、本文ではなく脚注に、「日本銀行法第3条に基づき、金融政策の具体的な手法については日本銀行に委ねられる」と記したことが目に留まります。日銀法第3条は日銀の自主性を規定した条項ですが、「金融政策は日銀に委ねられる」とは言わずに、「具体的な手法については、日銀に委ねられる」という言い方です。

これは、高市政権が好んで使う言い回しですが、具体的手法に、「利上げの判断」が常に含まれるのかどうか曖昧です。脚注といういわば姑息な修正の上に、奥歯にものが挟まった言い方では、修正感がほとんどありません。

物価上昇への警戒感が全く見えない

それどころか本文は、修正する気など全くないような言葉が並んでいます。

まず、経済の現状について、「デフレではない状況」と、インフレが4年も続いているのに、これまでの表現に固執しました。逆に「インフレの現実」に触れていません。

その上で、「『強い経済』に向けては、『安定的な物価上昇』の実現に資する適切な金融政策運営が非常に重要」と述べています。日銀には「物価の安定」より、「安定的な物価上昇」を優先して求めているのです。

さらに政府の役割のくだりで、「デフレに後戻りすることのない」よう「成長実現に取り組む」と書き加えていて、心配なのはインフレではなくデフレであると告白しているようなものです。

このように本文を読めば、一目瞭然、インフレは懸念に及ばずという高市政権の姿勢が明確なのです。この文章を読んで、日銀の利上げをけん制していると思わない方が不思議でしょう。