「財政健全化」の文字も消え

「骨太の方針」から、「財政健全化」という言葉が消えたことも、大きな変化です。政府は、国際標準である「財政の持続性」という言葉に統一しただけだと、説明しているようですが、積極財政を謳う以上、財政の現状を「不健全」だと認めたくない本音がミエミエで、まるで都合の悪い言葉を言い換えた大本営発表のように感じます。

金融市場が、高市政権の財政拡張政策に懸念を持つのは自然なことでしょう。しかも、足もとの財政状況を左右する、「食料品消費税引き下げ」の結論は、結局、骨太の決定までには間に合いませんでした。その先行き不透明感も市場の疑念を一層深くしています。

「利上げ」と「財政懸念の払拭」が必要

アメリカ金融大手のゴールドマン・サックスのジョン・ウォルドロン社長兼COOは、日本経済新聞の取材に対し、足元の円安が日本経済に与える影響について「おそらく最大のリスクだ」と語りました(21日日経新聞)。もっともな発言です。

円安を止めるために必要なことは自明です。適切に金融引き締めを進めること、財政拡張懸念を払しょくすること、その2点に尽きます。十分条件ではなくとも、必要条件であることは間違いありません。

インフレ加速と財政悪化懸念が広がり、円安と長期金利が連鎖して進む、極めてリスクの高い動きが顕在化している中で、リフレ的な政策に固執する高市政権は、貴重な政策修正の機会を逃したようです。